Wakabaさんのお仕事バンザイ

本職がプロデューサーだったり光の戦士だったり提督だったりラブライバーだったり火のない灰だったり工場長だったりするWakabaさんの日常です

上から目線になっていないか

仕事柄、主にコンピュータの知識レベルが大きく違う人にこちらの話を理解してもらう必要に迫られることが多々あります。
自分では一般的な用語だと思っていても、相手にはそう捉えてもらえなかったりすることは日常茶飯事であり、対応に苦慮する日々です。
そういった知識、技術をうまく相手に伝えるためにはどうしたらいいのかを、仕事の合間に色々調べたりしていたら、昔のあれやこれやを思い出したので、久しぶりに書いてみます。


仕事柄、なんて書き出しですが私はゲーマーなので、主にゲームについての話になります。
幾つか例を上げて話をしたいと思います。

例えば友人となんでもいいからゲームをする場合において、全参加者が初見とかであれば問題ありませんが、1人が経験者とかで他のメンバーに対しインストを行う必要があるケースがしばしばあります。

この時「経験者が初見を容赦なくぶっ殺して高笑い」が通る仲であれば、それは非常に稀有で貴重なものです。大事にしましょう。
しかしながら往々にして「経験者が力加減を間違えて初見がやる気を無くす」という流れになってしまうものです。
幾つかパターン分けしてみたいと思います。

スタート地点が違う ~ 格闘ゲーム

こういった話は格闘ゲームでよく耳にします。
とあるタイトルに挑戦してみたいけど、コンボや立ち回りもわからないし、すぐに初心者狩りされてしまう懸念から二の足を踏む、あるいは実際に狩られてやる気を無くすといった話です。

配慮すべきは経験者側のはずですが、概ね次のようなお言葉を頂きます。
「コンボとかちょっと練習すればすぐできるよ」
「弱者がこの世界で生きていこうなど100年早い。出直してくるんだな」
後者は論外ですが、アドバイスしているつもりの前者もそもそも初心者が難しいと思っている理由が理解できていないのが原因なのです。

つまり、初心者にとって「何が難しくて何が分からないのか」と理解しないまま自分の尺度で話をしてしまい、スタート地点から違っています。
格闘ゲームの例を取れば…

初心者
コントローラーだとボタンの数的に難しいし、スティックは慣れてないしどうしよう。
上級者
ふーん、○○とくらべてコンボゲーって感じでもないし… ちょっとトレモすればなんとかなるかな

操作がおぼつかない初心者に対し、他と比較してコンボが簡単なことをプッシュしていったところでどうしようもないわけです。
そもそもそこを論ずる段階まで来ていないのですから。

私もケルナグールから始まって、様々な格闘ゲームに触れてきました。
結局コンボが馴染まなくてやり込めていないものばかりですが、ジャンルとして無くなるのは惜しいと考えています。
今一度新規勢を加入する際の手法について、ご一考いただければ幸いです。

手加減が難しい ~ TCG

TCG、主に私がやっていたのは「Magic: the Gathering(以下MTG)」でしたので、それを例にとって話をしてみます。

MTGの専門用語を入れざるを得ず、その説明を毎回行うのは厳しいため、興味がある方はWikiでお調べ頂けると幸いです。
MTG Wiki
http://mtgwiki.com/

数年おきに仲間内で「MTGやろうぜ」みたいな話が上がります。
若干グレーなところはありますが、有志作成の対戦ツールがありますので、それを利用しています。
身内のカジュアル対戦のため、カードプールをろくに縛らないことが多く、それによりどんなデッキを作っていくか迷うことになります。

人よりMTGに触れている期間が長かった分、いらん知識もそれなりに蓄えられているものです。
勝つことを至上命題として、先人が築き上げた負の遺産であるMoMa*1やドレッジ*2、Caw-Blade*3なんかを持ち込んだ日には、「お前とはやりたくない」と言われても文句言えません。
結果を残しすぎちゃったデッキを除外しても、カード単体でやばいものが腐るほどあるため、使ってみたいけど大人げない結果になることを懸念して、導入を見送ることもしばしば。

個人的な志向としては親和が好きなのですが、カジュアルであることをいいことに初期型電結親和を持ち込んだらMTGではなくなってしまうし、
親和をやめたところで、青マナ用意して実物提示教育からエムラクールや荒廃鋼の巨像出そうかとか、白マナ用意して鍛えられた鋼で殴り倒すかとか悪いことしか思いつきません。
アーティファクトって強すぎません? 大体ウルザが悪い。

じゃあどうするのかというと、適当な時期のブロックかスタンダードに絞って構築するようにしています。神河ブロックやミラディンの傷跡ブロック当たりが好きでよく使っていました。
ロマンしか無いクソレアをコンセプトに組んでいきたいのですが、どうしてもパワーカードが目についてしまいます。
神河なら独楽や十手、ミラ傷なら殴打頭蓋や各種剣なんかです*4。これらのカードに気を引かれると、調整段階でまずクソレアが抜けていくことになるので注意が必要です。

性分としてマンチ気味なもので、ガチガチに組んでぶっ殺してやりたい衝動にかられてしまいます。
しかしそれではゲームの寿命が縮まる一方です。
やるからには負けたくないし、かと言ってガチすぎるとダメというのは、なかなか難しいものです。

上から目線になってしまう ~ 汝は人狼なりや?

タイトルを見ていただいてもお分かりと思いますが、この項目が一番書きたかったところです。
また人狼ゲームにも色々ありますが、原則掲示板での長期村の話になります。
ワンナイト人狼等のカードゲームは考慮しておりません。

ちょいちょい話題に出している「汝は人狼なりや?」ですが、数はそれほどこなしてはいないものの色んな所でプレイする機会があったのですが、その中で「初心者村」なるものに参加したときのこと。
プレイ自体は滞りなく完了したのですが、終了後のエピローグで異常に声のでかい「自称上級者」の発言が鼻につきました。*5

初心者村のプレイヤーにちょっと講釈たれてやろうという気持ちだったのでしょうが、上から目線かつ全く論理的でない意見を振りかざしており、
改めてログを読み返してみても、怒るより先に呆れてしまうレベルです。
中でも一番ひどかった意見を例として挙げ、せせこましくも溜飲を下げようというのが今回の趣旨になります。

村人の役職の一つに「狩人」というものがあります。
時々別の名前になっていることもありますが、ベーシックな人狼村では「狩人」となっているはずです。
役割としては夜の時間に1人を選んで護衛し、その人が襲撃されたときにその襲撃をなかった事にする能力をもっています
表舞台に出てくることはまず無い役職ですが、人狼側からすれば看破しておきたい役職であり、それをかいくぐって一度護衛を成功させれば勝利に大きく貢献できることもあり、人気の職だと思います。

件の初心者村にて、初日に私を含む数名が狩人について言及していました。
内容は回避CO*6を認めるか否か、といったもので私も他の参加者も、発言数稼ぎのちょっとした話題のつもりだったのでしょう。
それがお気に召さなかったようで、以下のような御言葉を頂戴いたしました。

「狩人じゃないから狩人の話題を気軽に口にできる。狩人じゃないのがバレバレ」
「狩人を隠したかったら一切話題に出すべきではない」

ゲーム終了後のエピローグで、全員の役職が明らかになったあとでの発言であることもさることながら、内容もなかなかぶっ飛んでいます。
上記の発言が全て正しいと仮定した場合、狩人がどういった行動を取るべきか考えてみましょう。

狩人であることを見破られたくない

狩人の話題を出している人は、狩人ではないと思ってもらえるらしい。

率先して狩人の話をしよう

ちょっと考えればこうなるのは自明だと思います。結果として狩人の話をしたほうが潜伏しやすくなるので、積極的に話題にするべきとなります。
これは先の主張と矛盾した内容です。
また、これを見た人狼陣営は以下のように考えることが出来ます。

「狩人の話をしているから狩人ではないのだろう」
「裏をかいているに違いない。彼が狩人だ」

結局どちらとも取れるわけで、これは前提が「狩人は狩人の話をする」であっても変わりません。
堂々巡りで結論を出せるような話ではないのです。
後付で持論を展開してドヤ顔するのは結構ですが、ちょっと考えれば破綻していることが分かってしまうわけで、反面教師として十分注意したいものです。

今回の事例に限らず、人狼ゲームはいろいろ考えていくと堂々巡りになることが多いです。
確定能力者の報告と一部の例外を除けば、断言できることなんてないはずなのです。
にも関わらず、過去の成功体験なのか自分が持っているポリシーなのか、持論に固執する人はそれなりにいます。

人狼はそんな甘いゲームではないです。
堂々巡りする考察をどこでストップするのか、そのための材料はないか、その主張がコンセンサスを得ることができるのか。
対抗している能力者のどちらを信用するのか、発言におかしなところはないか、人狼陣営とのつながりは見えないか。
人に意見を伝えて、理解して、賛同してもらう。そのことの難しさが人狼ゲームの本質だと思っています。

難しいけどそこから得られる達成感やカタルシスは、他ではちょっと経験できません。
そんな人狼ゲームの火を消さないためにも、経験者は色々と注意していきたいものです。

最後に

どんなジャンルでもそうですが、勢力拡大のためには新規ユーザーの獲得は不可欠です。
にも関わらず、初心者を排斥するような行動を取ってしまう輩は後を絶ちません。
そのジャンルに対するリスペクトや、界隈が盛り上がることによって得られる利益を考慮すれば、自ずとどうするべきかは見えてくるはずです。

自分の居場所を守るも殺すも自分次第。
自らの人生をつまらないものにしないよう、お互いに気をつけていきましょう。

*1:クソオブクソ

*2:クソ

*3:クソ

*4:ここで挙げたカード全部アーティファクトですね。やっぱりウルザが悪い

*5:村からあぶれた人は見学者として墓下発言のみできるシステムでした

*6:占いや吊りに選ばれた際に、役職を明かすことで対象を変更してもらうこと